【わかりやすく解説】一般貨物自動車運送許可の取得手続きについて

貨物自動車事業許可

トラックなどを用いた運送業を開業するには、一般貨物自動車運送許可を取得する必要があります。

「許可の手続きはどんな流れで進めればいいの?」

「許可をもらうにはどんな要件を満たす必要があるの?」

この記事をご覧になっているからの多くが、このような疑問をいだいているのではないでしょうか。

そこで今回は、一般貨物自動車運送許可申請の流れや、許可の要件などを、はじめての方にもわかりやすく解説していきます。
運送業を開業するまでに、どのような準備が必要か、理解することができます。

小難しい内容が多いですが、頑張って噛み砕いていきましょう。

一般貨物自動車運送許可とは

許可

一般貨物自動車運送事業をはじめるには、国土交通大臣または地方運輸局長から許可を受ける必要があります。その許可というのが、一般貨物自動車運送許可です。

一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものを言います。
【貨物自動車運送事業法第2条第1項】

つまり、緑ナンバーのトラックなどを利用して荷物を運び、運賃を受け取る事業のことで、一般的には「運送業」と呼ばれています。

一般貨物自動車運許可は、申請したらすぐに受けられるものではなく、許可を取得するには相応の時間と許可を受けるための準備が必要です。

許可の取得に必要な期間

一般貨物自動車運送許可を取得するには、およそ半年〜1年ほど期間が必要になります。

そもそも一般貨物自動車運送許可は、誰でも簡単に取得できるような許可ではなく、許可基準を満たすのが非常に難しいハードルの高い許可と言われています。

しかもこの許可基準は、法律が改正されるたびに難しくなる傾向にあるため、運送業を開業しようとしている方は、早めに許可を取得しておいたほうが良いでしょう。

許可を取得するためには法令試験を受ける必要がある

許可の取得には、書類や設備の準備が必要なだけでなく、法令試験を受ける必要もあります。
この法令試験を最短で合格できるかどうかが、一般貨物自動車運送許可を短い期間で取得するカギとなります。

法令試験は、事業者が許可申請をしたあと、奇数月に運輸局にて実施され、一般貨物自動車運送事業主体の役員だけが受けることができます。
法令試験の点数が合格点に達しなかった場合、翌々月に1度だけ再試験を受けることができます。

再試験でも合格点に達しなかった場合は、許可申請を自ら取り下げる必要があり、取り下げない場合は申請が却下されてしまいます。

法令試験は30問出題され、合格点は24点以上(8割以上)となっており、参考書などの持ち込みは不可です。

出題形式は2択問題や語群からの選択問題で、以下の範囲から出題されます。

① 貨物自動車運送事業法
② 貨物自動車運送事業法施行規則
③ 貨物自動車運送事業輸送安全規則
④ 貨物自動車運送事業報告規則
⑤ 自動車事故報告規則
⑥ 道路運送法
⑦ 道路運送車両法
⑧ 道路交通法
⑨ 労働基準法
⑩ 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
⑪ 労働安全衛生法
⑫ 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
⑬ 下請代金支払遅延等防止法

再試験に不合格になった場合も再申請が可能ですが、その分開業が遅れてしまうため、必ず万全に対策した上で試験を受けましょう。

一般貨物自動車運送許可の流れ

手順の説明

許可申請は以下の流れで進めていきます。

  1. 許可の取得などに必要な要件や書類を準備する
  2. 申請書や添付書類を作成し管轄の運輸支局へ提出
  3. 役員法令試験を受験する
  4. 書類審査
  5. 一般貨物自動車運送事業の許可通知
  6. 許可証の交付式

一般貨物自動車運送許可を取得するまでの流れは以上になりますが、営業を開始するにはさらにいくつか必要な手続きがあります。
許可を取得してから営業開始までの流れは以下の通りになります。

  1. 運行管理者・整備管理者の選任届
  2. 適正診断の受診
  3. 労働基準監督署への届出
  4. 運輸開始前の確認報告
  5. 自動車の登録
  6. 運賃料金設定届出の提出
  7. 営業開始

許可を取得してから1年以内に運送業を開始しない場合、せっかく取得した許可が失効してしまいます。

そのため、許可を取得したら、速やかに営業開始できるよう、必要な届け出や手続きをしましょう。

一般貨物自動車運送許可の審査項目の基準

基準

一般貨物自動車運送事業の許可を受けるためには、貨物自動車運送事業法や運輸局長が定めた基準を満たす必要があります。

基準は次のような項目から構成され、項目ごとに細かな基準が定めらています。

  • 営業所
  • 車両数
  • 事業用自動車
  • 車庫
  • 休憩・睡眠施設
  • 運行管理体制
  • 資金計画
  • 法令遵守
  • 損害賠償能力

それぞれどのような基準を満たす必要があるか見ていきましょう。

営業所

許可を受けるにあたり、一般貨物自動車運送業を営むための営業所が必要になります。

営業所は、その土地や建物を使うことができることを証明する必要があるため、自身で所有する物件の場合は、許可申請した事業者が所有者である登記簿謄本、賃貸物件の場合は事業者名で借りている旨が記載された賃貸借契約書が必要です。

車両数

営業所ごとに5台以上、貨物自動車が必要です。

この貨物自動車は、緑ナンバーとして登録する車両数となります。

事業用自動車

登録する車両が、運送事業に適したもの(サイズや構造など)であり、使用権限を有するものである必要があります。

車庫

営業用の車両を保管する車庫を有する必要があります。

車庫は、基本的には営業所に併設しなければいけませんが、営業所の所在する地域によっては、営業所から10〜20キロほど離れた場所であっても車庫として利用することができます。
また、一般貨物自動車運送事業用の車庫として認められるには他にもいくつか要件があります。

まずは前面道路の幅員です。
車庫の前面を通る道路の幅員は、多くの場合、6.5m以上であることが求められます。

次に車庫の面積です。
事業に使用する車両のすべてが駐車できる広さが必要になります。

管轄の運輸局によっては、車種区分ごとに必要な面積が公表されている場合があるので、必ず事前に運輸局に確認しましょう。

休憩・睡眠施設

業務中、運転手に睡眠時間を与える必要がある場合は、1人あたり2.5平米以上の広さの睡眠施設を確保する必要があります。

運転手に睡眠を与える必要がなく、休憩のみを与える場合は、簡易な休憩スペースのみを確保する必要があります。

運行管理体制

一般貨物自動車運送許可を取得するためには、事業を適正に運営することが可能な管理体制が必要です。

事業を適正に運営することができる管理体制には、以下のような体制が整っている必要があります。

  • 運行管理者と整備管理者が選任されている
  • 運転者の労働条件が基準を満たしている
  • 運行管理における指揮命令系統が明確になっている
  • 事故防止のための教育や指導の体制が整っている
  • 危険物の輸送を行う場合は取扱資格者がいる

資金計画

一般貨物自動車運送事業をはじめるにあたり、必要な資金の見積もりが適切か、必要な資金以上の自己資金があるかが見られます。

必要な資金としては、以下のものが挙げられます。

  • 車両の費用
  • 建物の費用
  • 土地の費用
  • 車両の保険料
  • 人件費や燃料費などの運転資金
  • 登録免許税
  • その他各種税

法令遵守

許可を得ようとする事業者が、法律を守って正しく営業することができるような法律知識を持っている必要があります。

そのため、前項で取り上げた法令試験を受ける必要があり、法令試験に合格しないと許可を取得することはできません。

損害賠償能力

営業に使用する車両は、相応の任意保険に加入することが求められます。

保証内容としては、対人賠償額は無制限、対物賠償額が最低でも200万円の保証が受けられる保険に加入する必要があります。

注意!許可を取得して終わりじゃない!

営業開始後

ここまでお伝えしてきたように、一般貨物自動車運送事業は、許可を取得して営業開始するまで多くの準備と期間が必要です。

しかし、いざ許可を取得して営業を開始しても、その後に必要になってくる手続きも多くあります。
許可の取得は、あくまでゴールではなくスタートであるということを理解しておきましょう。

許可を受ける必要がある手続き

事業用自動車の運行の管理や、その他輸送の安全に関する業務の管理を委託または受託するとき

認可を受ける必要がある手続き

  • 事業計画を変更する
  • 運送約款を変更する
  • 運送事業を譲渡する、またはされる
  • 相続により、運送事業を引き継ぐ
  • 運送事業者の法人を合併または分割する

届け出をする必要がある手続き

  • 事業計画(増減車)の変更
  • 事業計画(営業所の名称等)の変更
  • 運賃および料金の変更
  • 運行管理者または整備管理者の選任または解任
  • 事業の休止または廃止
  • 貨物軽自動車運送事業の経営
  • 運輸開始
  • 譲渡し及び譲受けまたは合併(分割)が終了
  • 事業再開
  • 行政庁からの命令を実施した
  • 事業者氏名、名称または住所の変更
  • 法人の役員変更

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

一般貨物自動車運送事業の許可を取得するには、審査基準をしっかりと理解した上で、その準備に多くの労力と期間を要することになります。

ただ書類を書いて提出すればいいというものでは無く、多くの書類を作成し、法律の理解も必要になってくるため、行政書士に許可の取得を依頼される事業者が非常に多いです。

行政書士に許可の取得を依頼すれば、より最短で許可を取得することができ、必要な要件を揃えたつもりが、実は基準を満たしておらず、またイチから準備しなければいけない・・・・といったトラブルを未然に防ぐことが可能です。

わたしたち行政書士福原総合事務所においても、一般貨物自動車運送事業許可申請を請け負っております。

申請を間違いなくすることができるか不安な方は、ぜひ気軽にお問い合わせくださいね。

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